大使挨拶
令和5年1月13日

昨年12月28日にスコピエに着任しました。日本と同じく、美しい山々の自然に恵まれた北マケドニアに在勤することとなり、心から嬉しく思います。
1月11日には、ペンダロフスキ大統領に信任状を捧呈出来ました。
●日本と北マケドニアは、1991年の同国の独立以前から、友好を育んで来ました。1963年のスコピエ大地震の時には、我が国の代表的な建築家である故丹下健三氏が、都市再建の設計に貢献し、スコピエ市民との友誼を結びました。今年はその60周年記念シンポジウムが計画されています。
また1976年には、現在の上皇上皇后両陛下が、スコピエを御訪問されています。
●1994年には我が国と北マケドニアは国交を樹立し、経済協力を初めとする様々な分野で、日本は北マケドニアを支援して来ました。昨2022年にはオスマニ外務大臣が日本を訪問し、秋篠宮皇嗣同妃両殿下にご引見され、また林芳正外務大臣等との会談や、両国のビジネス・フォーラムに参加されています。1月3日に、私はオスマニ外務大臣と会談しましたが、我々の友好・協力関係を様々な分野で発展させることで一致しました。
●現在、北マケドニアはEU加盟交渉に取り組んでいます。北マケドニアは、EUの法制度を受け入れるために、各分野で改革を行うことになります。日本はEUと経済連携協定(日・EU・EPA)を締結していますので、北マケドニアがEU加盟国となれば、日本と北マケドニアの間で自由貿易を実現することができます。北マケドニアのEU加盟により、司法改革などの改革が進めば、外国の投資家にとっても投資環境が改善されることになりますので、私としても、日本との経済関係強化に向けて尽力していく所存です。
●北マケドニアは、本2023年の欧州安全保障協力機構(OSCE)の議長国です。ロシアのウクライナ侵攻という状況の中で、OSCEは重要な役割を期待されています。北マケドニアは、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的な価値観を我が国と共有する重要なパートナーですので、OSCEの議長国としてリーダーシップを発揮することを期待しています。日本もOSCEのアジア・パートナーとして、北マケドニア政府と協力していきます。
2024年には、我が国と貴国との外交関係樹立30周年を迎えます。それに向けて、政治、経済、文化、市民交流の各方面において、両国間の交流を活発化させていきたいと考えています。また在留邦人の皆様や、日本企業の方々に様々な支援やサービスを提供できるよう、努めて参ります。
これから、皆様のご支援、ご協力を賜りながら、両国の友好関係の更なる発展に向けて、精一杯尽力する所存ですので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
2023年1月13日